takabailandoのブログ

I hope this is like TEDxMe+: ranging from numeric programming to business value proposition.

ビッグデータビジネスの動向:健康管理編(1)

個人的な意見ではありますが、ビッグデータをどうやって利活用すべきか考えて行くと、健康管理、医療の最適化、環境保全、エネルギー利用の最適化、食の安全、子育て、旅行、教育、家の安心、異文化交流、など純粋にビジネスとは言えない領域が際立つなぁと感じています。そこで、数回に分けて、そういった領域ごとに、データビジネスプレーヤーやその領域で解決されるべき課題などお伝えしたいと思います。

 今回は健康管理と特にモバイル技術を中心に見て行きたいと思います。米国で毎年開かれる健康系のカンファレンスに「mHealth & Telehealth Congress」があります。このカンファレンスでは医療従事者や医療サービス提供者などが参加しています。ここでは、eHealth(インターネットを使った健康管理)領域でもマーケティング方法、インターネット技術が医療の現場に与える影響、スマホアプリを使った新しい健康管理サービス、などが紹介されています。日本ではeyeforpharmaカンファレンスでちょろちょろ紹介されるくらいなんでしょうかね。

 今米国ではモバイル技術の発展により、クリニックや病院で行われる問診や薬剤情報の共有などは自宅で行えたり、診察記録がデジタル化されてきたお陰で健康保険提供者が標準化されたフォーマットで患者の情報にアクセスできるのでオペレーションコストが低減されたり、患者に関する様々な情報を統合管理できるようになりオンデマンドでのレスポンスが可能になったり、と健康管理にも変化しています。

 また、ここ数年でめまぐるしく発展しているモノのインターネットが患者と医療ケア提供者との距離も縮めています。例えば、Sanofi  Aventisが提供するiBGStarという血糖値検査機があります。糖尿病患者はこの端末を使って血糖値を計測し、計測結果を保存できますし、iOSアプリと連携が可能で医師とのコミュニケーションも便利になっているようです。 実際、医療・健康領域ではこういったウェアラブルデバイスの売れ行きが好調なようです(ABI: 90M wearable devices to ship in 2014 | mobihealthnews)。また、アップルも健康管理領域に参入してくるかもといった噂も流れています(http://mobihealthnews.com/29506/rumor-apple-developing-healthbook-app-for-ios8/)。

★ iBGStar: http://www.bgstar.com/web/ibgstar/app

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 一方実際の診察・問診という分野でもモバイルはうまく活用されています。例えば、Ginger.ioというMITメディアラボからスピンオフした会社が提供するサービスがあります。患者はGinger.ioが提供するiPhoneアプリを使って、様々な健康状態のデータを記録させます。例えば、一定期間ごとに患者に送られる健康状態のアンケートに答えてもらったり、スマホのセンサーから通話時間や行動履歴なども記録させます。これらの行動パターンやアンケート記録をベースに通常とは異なるパターンが検出されると、患者本人にアラートが飛ばされ、患者も医師も把握できなかったであろう情報を効率的に共有できるといった仕組みです。

★ Ginger.io:http://ginger.io 

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 まずは総論的にこれくらいにして次回は、もっと詳しくご説明できればと思います。