takabailandoのブログ

I hope this is like TEDxMe+: ranging from numeric programming to business value proposition.

教育が子供の将来を蝕まないように

私自身犯罪心理学を専攻していましたし、大学院時代には学部生を数年教えていたこともあり、また今子供にも恵まれ、教育を通じて「知る」と「動かす」とは何か、深く考えるようになりました。

  そういう文脈でご紹介したい方で、個人的に会って話してみたい方の一人にKen Robinson氏がいます。彼はTEDにも数回登壇している著名な教育活動家です。私は彼の教育概念に強く惹かれるところがあり、全ての経済基盤は教育のあり方に左右されると信じています。


ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている

  現代の教育制度は、イギリスで産業革命が起きた時の制度をベースにしていると言われています。工場で仕事をするために必要なスキルを修得するためのカリキュラムが用意されていました。このような教育制度では、教育が技能を修得することに重きが置かれ、学習方法を修得することではないわけです。

 しかし、インターネットの発展によりいつでもどこでも好きな時に好きな量の情報を消費することができる現在で必要な能力はLearningであってStudyingではないと感じます。つまり、物事の考え方とか本質を理解するためのゼロベースでの思考方法といったところでしょうか。違う角度からこの問題を考察してみると、現代の教育制度からは、このゼロベースでの思考方法が醸成されにくいのではないでしょうか。

 私は人間の意義は想像力&創造力のハイブリッドだと確信しています。ベンチャー企業が既存の技術を組合せて新しい価値を提供するのも、芸術家が森羅万象を咀嚼し芸術作品にその息吹を吹き込むのも、想像からの創造なわけです。日々その結果を私たちは消費し享受しているわけです。なので、この二つの力が有機的に作用することが重要です。


ケン・ロビンソン: 「教育の死の谷を脱するには」 

 この想像力と創造力を醸成するためには、個人は”個”の”集合”であるという本質を理解することが肝心です。産業革命から続く教育制度では、”社会は個の集合”という点が強調されますが、”個の相互作用が社会”という点を注力すべきで、人それぞれ異なる学習方法も学習曲線を最大限に活かした社会システムを用意していくべきなのです。

 近年のモバイル技術やクラウドプラットフォームの発展は注目されています。それは、これまでの無機質な教育を有機的なものに変える力があると考えられているからだと思います。そのキーワードがApaptive&Relevantです。学習者は自分に適したコンテンツを適した方法で適したスピードで消費することが可能になるのです。

 Ken Robinsonが最後のほうに話をしたDeath Valleyの話は非常に興味深いです。これからの教育制度では落第者は生まれないかもしれません。状況が揃っていなければ学習能力自体も花開きません。それはただ開花するのに適した土壌・天候に巡りあう日を待っているにすぎないのです。教育は学習能力を開花させる環境を提供するために、生徒個人を理理解することから始めるべきであり、その個人にあった方法を提供し続けることが重要なんだと感じずにはいられません。